The 3th HATA's International Drum & Folk Art Festival in Korea 2006
12/14〜12/17

研修生レポート

萩尾 雅貴(Masa)
 研修生にとして太鼓衆一気に入って2ヶ月。私にとって初公演が、この韓国ドラムフェスタだった。正直、入って2ヶ月でデビューするとは思っていなかった。2ヶ月の間、限られた時間の中で、自分がこうだ!と思うことは全てやってきたが、出国前日は緊張の為、なかなか眠れなかった。空港でも緊張は収まらず、リーダーに「随分静かやな?大丈夫か?」と心配されるほどだった。そして時間はあっという間に過ぎ、気が付くと韓国の地を踏んでいた。
韓国公演を迎えるにあたり、私は外国で演奏したことが無かったので、観客の反応の違いや、日本以外にも、台湾、韓国、ウズベキスタン、トルコ、ペルー等の国も共演すると聞いていたので、何か一つでも良いのでプロの技を盗んで帰ってきて、自分の成長につなげるということを目標としていた。
 しかし、演奏以前に準備の段階で何も出来ない自分がいた・・・。
締太鼓や桶胴太鼓を締める時、聞きながらやらないと出来ない。身の回りの管理も出来ない。演奏のほうも自分の事で精一杯で、メンバーの音を聞いて合わせる事が出来なかった。
 何の為に韓国に来たのか?と言う言葉が頭から離れず、リーダーに御願いして、ホテルで桶胴太鼓の締め方を指導してもらった。ゆっくりやってもらったり、締めているところをビデオに録って研究して、やっと一人で締めることが出来るようになった。この時リーダーが「観客の一人に集中して、そいつに聞かせろ!そうすれば観客全体を引き付けることが出来る。」「やってきたこと全部出せ!」という話をされた。次の日が最終日で、、昨日言われたことを全て実行しようと演奏に入ったが、何一つ、自分の太鼓に対する思いを伝えることが出来なかった。
 公演が終わった後は、悔しいという気持ちで一杯だった。同時に、他国の演奏と自分の演奏は何が違うのか?等、沢山の課題を発見することもできた。
もっと!もっと!!練習して上手くなりたい!太鼓では誰にも負けたくない!!という気持ちが強くなった。来年、もう一度韓国で公演することが出来るのであれば、進化した、太鼓衆一気Masaの音を聞かせ、リベンジしたい!!


市原 美紀(Miki)
 海外旅行には、何度か行った事があるが、海外公演は、生まれて初めての経験だった。その記念すべき大舞台となった「韓国ドラムフェスティバル」は、私の想像を遥かに超えるスケールのステージだった。
 韓国では、3回演奏を行ったが、1回目はキャパ100位の福祉施設で行なわれた。ステージと観客の距離も近く、反応も身近に感じることが出来る場所だった。しかし、太鼓衆一気としての初演奏であり、とても緊張した。日頃から言われている「お客さん全体を見るんじゃなく、この人だ!と決めたら、その人から目をそらさない様に。その人に届ける。」という事は忘れずに演奏することを心がけた。【沸点】一曲の演奏を終え、内容の良し悪しの判断は出来ないが、目はこの人と決めた人に、耳は自分の音、みんなの音を聞き、腕を振ってリズムを叩き、頭の中の音符が流れて・・・何だか、曲を演奏するというのには遠い感じだった。
 2回目、3回目はどちらも大きなホールでの演奏だった。1、2回目の公演は‘not important’と言っていたが、3回目は‘important’なステージでした。メディアの取材などが入る公演で、音響、照明、リハーサル、随所に力が入っていた。
 そんな雰囲気の中リハーサルが行なわれ、緊張と不安で口数がドンドン減っていく。控え室で練習すればするほど「あ!間違えた!」が増え焦ってしまう。そして迎えた大本番、「太鼓を叩く」ということでいっぱいいっぱいだった。目線も耳も腕も心も、全てがチグハグだったかもしれない。ただ、本番前に気持ちを声に出して行こうと決めていたので、声を出すことで叩けていた。
 終演後、リーダーの「沸点という楽譜をお客さんに届けただけだった」という言葉がすごく頭に残った。それと「今までで一番最低の沸点」という言葉も・・・

 この言葉は、韓国公演を通して、この先ずっと忘れることが出来ない。この言葉を覆す為に、やることが沢山あると身にしみて分かった。
 今までで一番最高の【沸点】にしてみせる!!



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